携行型電磁探査機

携行型電磁探査機による簡便な物理探査

当社は、米国GSSI社の携行型電磁探査機(EMP-400)を導入し、簡便な電磁探査を併用することにより調査精度の向上を図っております。
電磁探査とは、電磁誘導現象を利用する電気探査法で、地盤の二次的な磁力を観測し、磁化率や導電率を算出することにより地下構造を推定します。
観測作業は、調査地に測線を配置し測線上の複数地点にて観測を行います。なお観測地点はGPSにより位置情報を同時取得し、現地で観測結果を確認できます。
当社の携行型電磁探査機は、主に地表面の浅部(5m以浅)を対象とした、地質調査・環境調査・遺跡調査・金属物調査(不発弾等)などに適しています。

【携行型電磁探査機による簡便な物理探査】

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携行型電磁探査機による電磁探査の特徴

携行型電磁探査機の特徴と当社の取組みをご紹介いたします。

【電磁探査の概要】

電磁探査は電磁誘導現象を利用する電気探査技術の一部です。通常の電気探査は、地表面等に複数の電極を設置して、通電させ、その際生じる電極間の電位差を用い地盤の比抵抗特性を解析します。
一方、電磁探査は地表面に電極を配置することなく、地盤の電気特性を得る手法で、受動的・能動的な探査に分類されます。当社の携行型電磁探査機は、能動的な電磁探査機であり、一時磁場による二次的な地場の磁力を測定し、地盤の磁化率(magnetic susceptibility)および比抵抗の逆数である導電率(conductivity)算出します。

【電気・電磁探査の分類】

電気・探査の分類

【EM法電磁探査の原理と測定概念図】

EM法電磁探査の原理と測定概念図

【当社の電磁探査の特徴】

メリット
  • 小型軽量で可搬性に優れている。
  • GPSにより観測位置を同時取得し、安価・迅速に現地作業が可能。
  • 探査結果は、平面マッピングイメージにより、その場で確認できる。
  • 発信周波数の切替により、深度方向への探査深度の調整が可能。
デメリット
  • 出力が小さいため、探査深度は浅い。
  • 地表付近に送電線や良導体(金属など)があると、影響を受け探査深度が浅くなる。
  • 深度方向の解析では、地質柱状図や電気探査解析断面図が必要。

【平面マッピング探査のイメージ概念図】

平面マッピング探査のイメージ概念図

【平面マッピング探査の解析例】

平面マッピング探査の解析例

EMP-400の仕様

●コイル間隔(固定):1.25m
●周波数範囲:1kHz~16kHz
●記録周波数:1~3周波数
●出力:In-phase(PPM)、Quadrature(PPM)、conductivity(mS/m)
●表示:数値およびグラフ表示
●電源:充電式リチウムイオンバッテリー
●全長:約1.46m
●重量:約4.5kg

実施事例

探査目的 実施場所 探査概要
大規模崩壊箇所の崩壊深度の確認 岐阜県揖斐川町 鉄筋入りの法枠工の有無により、道路崩落区間を想定。崩壊深度が深いため、断面解析は困難。
低土被りトンネルの坑口部の状況調査 福井県三方町 探査区間に自動変位観測用の単管パイプが設置されていたため、殆どの観測値はエラーとなった。
土砂流出箇所の基盤岩深度の確認 岐阜県御嵩町 断面方向の探査のみを目的として実施し、地質柱状図を参考として、おおむね岩盤深度を確認した。
河川災害箇所の地盤状況確認調査 岐阜県恵那市 橋梁流失箇所の探査を実施したが、上空に送電線が通過しており、観測値との干渉が認められた。
堤防詳細設計のための既存堤体探査 三重県松坂市 既存堤防の堤体探査から、砂質地盤と粘性土地盤の平面マッピングを実施した。
埋設導水管の位置確認探査 岐阜県白川村 橋梁設計業務に先立ち平面探査を実施し、既設の農業用導水管の位置を特定することができた。
堤防漏水対策のための既存堤体探査 長野県飯田市 漏水対策工設計のため、基礎地盤表層の粘性土の分布状況を平面的に把握するために実施した。
河川構造物計画箇所の地盤状況調査 岐阜県各務原市 構造物支持地盤の探査だったが、廃棄物の埋設箇所だったため、有意な結果が得られなかった。
土砂地盤における実証実験 愛知県豊橋市 均質な砂地盤や川沿いの砂礫地盤などで実証実験を実施して、周波数特性の把握に努めた。